アニサキスを知って安全に魚を楽しもう!危険な魚や予防法、症状、治療法をご紹介

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お魚雑学

魚の生食においてアニサキスが危険だということはよく知られています。しかし、どのような魚が危険で、どのように予防すれば良いのか、かかってしまった場合はどのような症状が出て、どのように治療すれば良いのかをきちんと理解している人は少ないのでは?実はアニサキスの被害にあう可能性は非常に低く、しっかりと対策をしていれば危険を避けることもできます。今回は、消費者として、アニサキスに関して知っておくべきことをまとめてご紹介します。

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アニサキスとは

アニサキスとは海に生息する寄生虫の一種。海中で生まれ、第一中間宿主のオキアミ、第二中間宿主の魚類を経て、最終宿主のイルカやクジラへと生息環境を移しながら成長します。食中毒の被害が多いのは、第二中間宿主に寄生する第3期幼虫が原因。長さ2~3cm、幅0.5~1mm、半透明で太めの糸のような見た目をしています。通常、アニサキスは宿主となる魚の内臓に寄生しており、生きている場合と氷などで冷却されている状態では内臓から動くことはありません。一方、宿主の死後に体温が上昇すると、一部の個体が内臓から筋肉(身の部分)へ移動し、それを食べることによって我々が食中毒を引き起こしてしまうのです。

アニサキスは青魚・サケ・イカだけじゃない

アニサキスによる食中毒は、青魚(サバ、サンマ、アジ、カツオなど)やサケ、イカなどの魚介類に多く、特にサバやサンマが原因となる症例が多くなっています。一方で、東京都健康安全研究センターが実施したアニサキスの寄生実態等に関する調査によれば、113種類の魚のうちアニサキスが寄生していたのは49種類。実に4割以上が該当しており、様々な種類の魚に寄生していることがわかります。魚を生で食べる際には、アニサキスに注意する必要があるということがわかりますね。また、アニサキスを見つけたからといって、その魚が異常であるということはなく、それほど珍しくないことだと理解しておきましょう。

宝くじで1,000万円が当たる確率よりも低い

たくさんの種類の魚にアニサキスが寄生しているとはいえ、必要以上に神経質になる必要はありません。それは、我々がアニサキスを食べるのは、内臓に寄生しているアニサキスが筋肉部に移動している場合だからです。上述の研究センターは、29魚種・全648匹に対して筋肉部のアニサキスを数える調査を実施しましたが、見つかったのはわずか16個体のみ。その割合は約2.5%です。その上、たとえ筋肉部のアニサキスを食べたとしても、通常は何事もなく排泄されることが多いのだとか。実際、厚生労働省の発表によれば、1年間で約200~400件ほどの症例しか報告されていません。潜在的な症例を含むと4,000〜7,000件という試算もありますが、最大の場合でも刺身を食べることでアニサキスによる食中毒になる可能性は90万分の1以下。つまり、宝くじで1,000万円が当選する確率と同じくらい低いのです(大日本水産会の試算より)。

アニサキスによる食中毒の対策・予防策

加熱・冷凍により生食を避ける

最も確実にアニサキスを死滅させることができるのが生食をしないこと。60℃で1分以上加熱すること、-20度で24時間以上冷凍することにより、安全に魚介類を食べることができます。特に内臓はアニサキスがいる可能性が高いので、絶対に生で食べないようにしましょう。近年は細胞を壊さないで冷凍する技術等のおかげで、解凍した刺身の味わいも向上しており、より安全に美味しい刺身・寿司を味わうことができるようになっています。

目視で確認

確実とは言えませんが、目視によってアニサキスを除去することも可能です。アニサキスが付着しているのは内臓のある腹部が多く、そこを重点的に確かめるのが良いでしょう。

鮮度管理をしっかりする

アニサキスは通常宿主の内臓に生息しています。宿主の死後に体温が上昇すると、一部の個体が内臓から筋肉(身の部分)へ移動するのですが、しっかりと冷却されていればアニサキスが筋肉へ移動することはありません。きちんと鮮度保持されたものを購入し、すぐに内臓を除去することによってアニサキス症の被害にあう可能性を下げることができます。

よくある対策・予防策に関する勘違い

調味料で死滅させる

酢やわさびなどの調味料でアニサキスを死滅させることができると思っている方もいますが、こちらは完全な誤り。この勘違いのため、生のサバを使用したしめ鯖を食べてアニサキス症になる方が毎年後を絶ちません。

よく噛むことでアニサキスを嚙み殺す

アニサキスを殺せばアニサキス症を防ぐことができるため、咀嚼によって嚙み殺すという対策も考えられます。確かに嚙み殺すことによってアニサキス症を防ぐことはできますが、確実に噛み殺せるかどうかは定かではありません。アニサキス単体を口に入れ、意識して10回以上咀嚼した実験では、上手く噛むことができず、一部に傷がつく程度でしかなかったそうです。また、身と一緒に食べることを考えると、アニサキスを嚙み殺すのは確実ではないため、リスクが高いと言えます(この実験には本当に頭が下がる思いです)。

アニサキスによる症状

アニサキスによる症状は、食中毒のアニサキス症とアニサキスアレルギーの2つに大別されます。

アニサキス症

食中毒のアニサキス症は、生きているアニサキスを食べることによって発生します。アニサキスが悪さをする場所によって、以下の3種類に分類されます。

胃アニサキス症の原因と症状

アニサキスによる食中毒の大半が胃アニサキス症。アニサキスが胃の壁に食いつくことで発症します。症状としては、アニサキスを摂取してから数時間〜十数時間後に、みぞおち付近に激しい痛みや吐き気、嘔吐を引き起こします。激しい痛みが時間を空けて何度も押し寄せるのが特徴で、このような間欠的な痛みを感じた際にはこの症状を疑いましょう。

腸アニサキス症の原因と症状

胃アニサキス症同様に、摂取したアニサキスが腸に食いつくことで発症するのが腸アニサキス症。食後十数時間〜数日後に、下腹部に激痛、吐き気及び嘔吐を引き起こし、場合によっては重症化して手術が必要になることがあります。

消化器管外アニサキス症の原因と症状

アニサキスが消化管を突き破って腹腔に飛び出ることによって発生するのが消化器管外アニサキス症。上記2つの症例数に比べると数が少なく、アニサキスが飛び出ている部位によって症状が異なってきます。

治療法

アニサキスは人間の体内で死滅するため、放っておいても自然治癒します。しかし、最大で1週間ほど人間の体内で生きていることができるため、4、5日は痛みがあることが多いのだとか。家庭でできる対策としては、市販の正露丸を服用すること。製造元の大幸製薬は、正露丸に含まれる木クレオソートという成分に関して、アニサキス症の予防・症状改善のための薬剤としての活用に関する特許(特許第5614801号)を取得しており、アニサキスによる症状を緩和・抑止する効果があります。過去の症例ではアニサキスによる鋭い痛みが1~2分で消失したという事例もあるそうです。あまりにも痛い場合にはアニサキスそのものを取り除くのが最も効果的。即効性のある治療法としては、胃カメラを使用してアニサキスそのものを除去するのが最適です。消化器内科や内視鏡科を受診しましょう。

アニサキスアレルギー

原因と症状

アニサキスの生死に関係なく、アニサキスを体内に摂取することによって発症するのがアニサキスアレルギーです。アニサキスに含まれる成分がアレルギー反応を引き起こすことにより、かゆみや蕁麻疹などを引き起こします。魚介類によって蕁麻疹が出たことがある方は、特定の魚のアレルギーではなく、こちらのアニサキスアレルギーの可能性も疑ったほうが良いでしょう。重篤な場合はアナフィラキシーショックを引き起こし、血圧低下、呼吸不全、意識消失などの症状を引き起こすため、最大限の注意が必要となります。

治療法

アニサキスアレルギーが疑われる方は、血液検査によってアレルギーかどうかを知ることができます。アニサキスアレルギーだと認定されれば、重篤度にもよりますが、基本的には魚介類を食べることができなくなってしまいます。その上、アレルギーが治ることはほぼないというのだから恐ろしいことこの上ないアレルギーです。

まとめ

どんな魚にもアニサキスはいるのだという前提で、正しい予防法と、万が一に備えて症状と治療法をしっかりと理解しておきましょう。リスクを減らし、心置きなく魚介類を楽しめる一助になっていれば幸いです。

参考資料一覧

以下のサイトを参考にしています。

内閣府食品安全委員会
厚生労働省
東京都福祉保健局
大日本水産会
みなと新聞
済生会
にしやま消化器内科
テレ東プラス

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